歴史からメガネを知ろう。

歴史からメガネを知ろう。

メガネの歴史の一番初めはあまりよく分かっていませんが、昔の文献や絵から、1280年から1300年の間にイタリアの修道士が発明したものが最初だということが有力な説となっています。現存する最古のレンズは、紀元前700年頃のニネヴェという遺跡から発見されており、これは水晶を研磨した平凸レンズですが、用途は太陽熱を集めるためのものだったので、視力を補うための最初のレンズはこの修道士が発見したリーディングストーンであるとされています。このレンズは、石英や水晶でできた平凸半球型のレンズで、物体を拡大して見るルーペのようなものでした。凸レンズは、遠視と近視を矯正出来ましたが、当初は主に老眼の人に使われ、その後、近視を凹レンズで矯正できることをニコラウス・クザ−ヌスが発見し、1604年にヨハネス・ケプラーによって凸レンズや凹レンズによる視力矯正が理論づけされることで、老眼以外の人々にも広まっていきました。
日本に伝わったのは、1551年、フランシスコ・ザビエルが守護大名・大内義隆に献上したのが最初といわれています。しかし、現物は残っておらず、現存している日本最古のものは、室町幕府12代将軍足利義晴が所持していたものとされています。これらは、手で持って見る形のもので、現在のように耳に掛ける形が出てくるのは、ずっと後になってからのことでした。
その後、レンズやフレームは改良され続け、近視や老視によってメガネをその都度交換しなくてもいいように、多重焦点レンズや乱視用レンズが発明され、フレームも手で押さえたり、鼻に挟み込んで使うものから、現在のようにつるを耳にかける形に変わっていきました。現在では、視力矯正だけでなく、ファッションとして使われることも多く、鮮やかな色や柄つきなど、色々な種類のものが作られています。